登山歴約3年。憧れの、北アルプスへ!ということで、北アルプスの女王と言われる、燕岳(つばくろだけ)へ!
工程は3泊4日の、ゆったり工程。
中央線特急「あずさ」で穂高駅。穂高駅からは乗合バスが運行しています。(冬期運休。)
燕岳の登山口である「中房温泉(なかふさ)」温泉に、前泊入りしました。
燕岳はとても人気の山なので、特に夏は大盛況。秋の紅葉シーズンも、登山客で賑わう(賑わいすぎる?笑)ので、紅葉もほぼ終わりかけの10月中旬に日程をとりました。
前泊入りの中房温泉、これがまたいい宿!
中房温泉は、温泉宿としても有名で、外湯や内湯がたくさんあります。湯巡りできるので、この中房温泉目当ての宿泊者も多いです。
なので、宿泊プランは、豪華な温泉宿&食事付きのプランと、登山客向けのリーズナブルなプランと、用意されています。
温泉が湧いているので、場所によっては地熱がホッカホカ。
受付で「卵」とか「じゃがいも」を購入してこの地熱で温めて食べる、なんていう面白いこともできます( ´∀`)
お猿さんも、たくさん見ました。部屋から、猿の親子( ´∀`)子猿がポワポワで、かっわいいこと。
、、、と、明日からの北アルプスに向けて、中房温泉満喫もほどほどに、早めに就寝です!
中房温泉の登山口からは、いきなりひたすら、急登続き!
登山口から山に入ると、もう、行きなり、木の根を上がっていく急登続き。さすが、北アルプス3大急登。
燕岳までは、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、合戦小屋、と、ポイントがあるので、「あぁ、今ここまで登ってきてるな!」と目安になります。感覚的に、第一ベンチ・第二ベンチは、「あれ?もうベンチ?!けっこう余裕かもよー」なんておもっていましたが、まぁそうは問屋が卸さないよね(笑)第二ベンチから、「あれぇぇぇ。。。第三ベンチ、まだ?もしかして、過ぎた?(そんな訳ない・・・笑)
で、やっとこさ。合戦小屋に到着。
夏場はこちらでスイカが食べられるのですが、もう秋でスイカは終了していました。朝ごはんが早くてお腹が空いたので、ここで休憩がてら早めの昼食。
合戦小屋を過ぎるとチラッチラッと見える、槍ヶ岳!
合戦小屋からも登りは続きますが、視界が開けると、遠くに、槍ヶ岳!八ヶ岳などの山から、たまにチラーッとちっちゃく見えていた、槍ヶ岳が、そこそこおっきく見えて、テンション上がります!
ここからは、けっこう槍ヶ岳!みえる!
燕岳〜大天井岳の尾根道に建つ、燕山荘も遠くに見えます!(と、この見えてからがけっこう遠い・・・・笑)
さすが北アルプス三代急登、をやっとこさ登り終えたら、あの有名な、燕山荘(えんざんそう)!
燕山荘、見えてからが長い。。。とウワサには聞いていましたが、やっぱりそうでした(笑)(この山荘手前の階段も、こたえる、、、と・笑)
2500m超えの山の上にあるとは思えないほどの、なんとも贅沢なステキな空間( ´∀`)
燕山荘はとってもとっても人気で、繁忙期はかなりの混雑ぶりのようですが(この広い食堂での夕食も3、4回転する、とか。)訪れたのは10月の半ば。山頂付近の紅葉はもう終わりで天気予報も直前で少し崩れたこともあり、私たちがお世話になったときは、とっても静かな燕山荘。小屋のスタッフの方もお客さんが少ないからかのんびり余裕のある様子でした。
燕山荘から、燕岳へ
山小屋に荷物を置いて(「デポる」なんていいます)燕岳に向かいます。燕山荘前から見える、燕岳。「北アルプスの女王」とよばれるように、花崗岩の白砂が広がる穏やかな山様です。
この燕岳。白砂の花崗岩ゆえに「雪がつもっているの??」って思いますが(特に写真だとそんな風に見える)実物は、雪の白さとはまた違う白さ。日本の山っぽくなくて、その優雅さが、なんだかそこだけ外国の景色のように見えます。
振り返ると、遠くに「槍ヶ岳」。表銀座の縦走路が続いてみえます。
あぁ、あの、アルプスに来たんだぁあぁぁぁ。。と感慨深い。
有名な、イルカの岩!このイルカ越しにも槍ヶ岳。槍の穂先や、小槍まで、みえます。北アルプスに居るーって感じです。
燕岳の山頂はそれほど広くはありません。見える山様が、いつもいく奥多摩などの山々と違うこともあり、わたしにはけっこうな高度感でした。
天気が悪くなると、現れる!雷鳥さん
少し足をのばして、大天井岳(おてんしょうだけ)まで行こうと歩いていましたが、急に雲がわいてきて、一気に視界が悪くなりました。少し風も出てきたので、引き返えして、山小屋でゆっくり過ごそうか、と相談しているところに・・・・!
♪───O(≧∇≦)O────♪人生初!雷鳥さんお目見え!!!
ハイマツ(高山に生えている低木の松)の下を、ひたすらゴハンをパクパクパクパク食べながら歩いています。(そしてかなり動きがゆっっっくり。)外敵に襲われることが多く絶滅危惧種ですが、「あぁ、こりゃ簡単に襲われるよね、、、」ってくらい、動きがゆったり(笑)
警戒心もなくて、人がそこいらを歩いていても全然気にする様子なしなので、写真撮りまくりできます。
これからの冬に備えて、脚まわりに白い冬毛がポワポワはえてきています。あぁ、カワイイ・・・!!
雷鳥、雷鳥、雷鳥(雷鳥の写真ばかりがつづきます・・笑)
↑こちらはオス。目の上に赤い模様があります。
↑こちらはメス。目の上の赤いのがありません。
後ろ姿。白い羽毛がポワッポワしててカワイイ。
雷鳥は夫婦(つがい)になると、ほとんどがずっと一緒に同じパートナーと一生を共にする、とか。今回の山旅で、3組のライチョウと出会いましたが、みなさんつがい(+そこそこ大きくなったヒナ)でした。
こうしてみると、とっても保護色なことがわかります。(どの写真も、オスメスの雷鳥が写っています)雲がかかって天気が悪くなると出てくる雷鳥。空から狙う外敵から身を守るためとも。
ホシガラスも、登場!
お天気が悪くなると、ホシガラスもハイマツ近くや地面近くをウロチョロしているので、近くで見れる率がUP!
ホシガラスは、八ヶ岳などでも会えます(のでライチョウほどのレア感は無いようですが)わたしは大好きな生き物のひとり(?)です。「カラス」なのに街でみかけるカラスみたいに大きくないし、小ぶりで、星の模様の羽が、かわいい。写真には撮れませんでしたが、ハイマツの実(松ぼっくり?)をくわえて飛び回る姿がなんともかわいんですよねー。
燕山荘に戻って、まったり、山小屋時間
かなり雲が湧いてきて視界がわるくなってしまったので、予定を変更して山小屋でゆっくり過ごすことにしました。
燕山荘名物のケーキセット
燕山荘名物の、ケーキセット( ´∀`)!りんごのタルトと、チーズケーキ。(モンブランが有名なようですが、この日は欠品中でした)こんな山の上で、はぁ〜ぜいたく〜〜〜〜〜
雲がすこし抜けて日が差してきました。
と、ブロッケン現象を見ることができました!山の上でこそ見れる現象。なんだか不思議な景色です。
最終日の朝。急な冷え込みで山の上は一気に冬の景色。
夕方から降った雨が雪にかわり、朝は北アルプスがうっすらと雪を纏いました。槍ヶ岳も、白くなっています。
雪氷が朝日にキッラキラ
この北アルプスの山行、わたしのなかで一番の想い出は、この景色なんです。
寒い寒い冷え込んだ朝の空気。張り詰めた寒さのなか、太陽が出てきて陽の暖かさをあびながら、木の実や枝についた露の氷がそれはそれはキラキラして、ほんとうに、息を呑むほどの美しさ。
晩秋の北アルプスは、山頂付近の紅葉も終わり、そして気温によっては雪になったり雨になったり、で、夏の賑わいとはかけ離れた、しずかで地味な(笑)山の様子ですが、この朝の光に照らされた霧氷は、ほんとうにきれい。そしてこれから厳しい冬を迎える覚悟を決めたような静かで彩度のない景色が広がる山も、これまた感動的に美しいのです。
燕山荘を背に、中房温泉まで下山
キラキラした朝露の氷もしばらくすると溶けて、景色はだんだん、秋の装いに戻っていきます。下山の一日で、冬から秋へ、逆再生のような不思議な感覚です。
下山後は、有明荘で、ひとっ風呂&食事
登山口の中房温泉から15分ほど歩いたところに、燕山荘グループの「有明荘」があります。日帰り温泉と、畳のお休み処、お食事処もあります。ここでバスの時間までゆっくりしつつ、帰路につきました。
まとめ
前泊中房温泉、燕山荘に2泊3日、という、とっても時間的にかなりのゆったりした工程の山行でした。
2泊3日の燕山荘では、大天井岳に行って戻ってくる予定が天候不良で中止になりましたが、たくさんの雷鳥とホシガラス、そして、「することがなくて、ひまー」という、「山の上で、何にもしない。」という極上のぜいたくなひとときを過ごしました。この「何もしない」時間は、ほんとうに今思い出してもとっても楽しく豊かで、忘れがたいひとときです。
どこそこまで、何時間で行けた!日帰りで行けた!というスピードを良しとする山登りのスタイルもありますが、それはひとそれぞれ。ひとつの場所で多くのじかんを過ごすからこそ出逢える景色、瞬間も、あります。
体力や技術がないわたしは、無理のない工程にしました。ゆっくり山にいたからこそ、そこで味わえた時間がとってもよかった。
「北アルプスに登る」なんて、日々鍛錬した登山者じゃないと行けない場所だと敬遠してしまうかもしれません。もちろん、ある程度の荷物を背負って、何時間も登り続ける、そして怪我をしないように気をつける、という基本的な体力などは必要ですが、日帰りの登山やハイキングで少し慣らしてから訪れることのできる山です。(かなりご高齢な女性も、ヒィヒィ言いつつもゆっくりと時間をかけて登って来られる山です(*^^*))
どの山でも感じますが、その山、その場所、その季節。そこでしか出逢えない景色、匂い、風。なんだかわからないけど、「あぁ生きててよかった。ここに来てよかった。」と心の奥から湧いてくる感動。『そこに、山があるから。』と登山をする理由は、人それぞれですが、私は、この心揺さぶられる感動のために、また山に行きたくなるのかもしれません。
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